相続の種類と相続人の範囲
相続の種類
- 単純承認
相続人が被相続人(亡くなった方)の土地の所有権等の権利や借金等の義務をすべて受け継ぐ。 - 相続放棄
相続人が被相続人の権利や義務を一切受け継がない。 - 限定承認
被相続人の債務がどの程度あるか不明であり,財産が残る可能性もある場合等に,相続人が相続によって得た財産の限度で被相続人の債務の負担を受け継ぐ。
相続が開始した場合,相続人は三つのうちのいずれかを選択できます。
相続人の範囲
相続人の範囲や法定相続分は、民法で定められています。
相続人は、被相続人の死亡したときを基準として決定されます。
人が死亡した場合に,その人(被相続人)の財産を承継されるひとが相続人となります。
なお、相続を放棄した人は初めから相続人でなかったものとされます。
また、内縁関係の人は、相続人に含まれません。
死亡した人の配偶者は常に相続人となり、配偶者以外の人は、次の順序で配偶者と一緒に相続人になります。
1.相続人の子及びその代襲相続人である直系卑属(第一順位)
2.被相続人の直系尊属(複数いる場合は、親等数が近い者)(第二順)
3.相続人の兄弟姉妹及びその代襲相続人である兄弟姉妹の子(第三順位)
〈胎児〉
相続については既に生まれたものとみなされます(民法886条1項)。
〈普通養子縁組により養子になった者〉
養子縁組の日から養親の嫡出子の身分を取得するため(民法809条)、養親の実子と同一の相続権を有します。
養子縁組後においても実親との親族関係が継続するため、養親及び実親の第一順位の相続人になります。
〈特別養子縁組により養子になった者〉
養親の第一順位の相続人にはなりますが、原則として、実方の父母及びその血族との親族関係は終了するため(民法817条の9)、実親の相続人にはなりません。
⊡代襲相続とは⊡
被相続人の相続開始以前に、相続人になるべき子や兄弟姉妹が既に死亡していたり、相続欠格や推定相続人の廃除によって相続人の資格を失っていたりするときに、その子が代わって相続をするという仕組みです(民法887条2項、889条2項)。
相続人になるべき子や兄弟姉妹が相続放棄をしたとしても、代襲相続は生じません。
相続放棄は、相続開始後に相続の効果が生じることを全面的に拒否することですので、相続放棄をした者は初めから相続人にならなかったものとみなされます(民法939条)。
