ずっと日本に住みたい!帰化と永住の違い
帰化とは
帰化とは、日本国籍を有しない者(外国人)が日本国籍を取得する制度です。
帰化の許可は、法務大臣の権限とされています(国籍法第4条)。
法務大臣が帰化を許可した場合には、官報にその旨が告示され、その告示の日から効力を生じます(国籍法第10条)。
帰化した外国人は、日本人と同等の権利を取得することができます。
永住とは
外国人が外国籍のまま、「永住者」としての在留資格を取得することです。
永住許可(入管法第22条)は,在留資格を有する外国人が「永住者」への在留資格の変更を希望する場合に,法務大臣が与える許可で,在留資格変更許可の一種と言えます。
在留資格「永住者」は,在留活動,在留期間のいずれも制限されません。
帰化と永住の違い
帰化申請が認められた者と在留資格としての「永住者」の間には、大きな差があります。
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帰化の一般的な条件とは
国籍法により、おもに6つの条件があります。 これらの条件を満たしていたとしても、必ず帰化が許可されるとは限りません。これらは、日本に帰化するための最低限の条件を定めたものです。- ①住所条件
- 帰化の申請をする時まで、引き続き5年以上日本に住んでいることが必要です。なお、住所は、適法なものでなければなりませんので、正当な在留資格を有していなければなりません。
- ⓶能力条件
- 年齢が18歳以上であって、かつ、本国の法律によっても成人の年齢に達していることが必要です。
- ③素行条件
- 素行が善良であることが必要です。素行が善良であるかどうかは、犯罪歴の有無や態様、納税状況や社会への迷惑の有無等を総合的に考慮し、通常人を基準として、社会通念によって判断されることになります。
- ④生計条件
- 生活に困るようなことがなく、日本で暮らしていけることが必要です。この条件は生計を一つにする親族単位で判断されますので、申請者自身に収入がなくても、配偶者やその他の親族の資産又は技能によって安定した生活を送ることができれば、この条件を満たすことになり。
- ⑤重国籍防止条件
- 帰化しようとする方は、無国籍であるか、原則として帰化によってそれまでの国籍を喪失することが必要です。なお、例外として、本人の意思によってその国の国籍を喪失することができない場合については、この条件を備えていなくても帰化が許可になる場合があります(国籍法第5条第2項)。
- ⑥憲法遵守条件
- 日本の政府を暴力で破壊することを企てたり、主張するような方、あるいはそのような団体を結成したり、加入しているような方は帰化が許可されません。
※日本と特別な関係を有する外国人(日本で生まれた者、日本人の配偶者、日本人の子、かつて日本人であった者等で、一定の者)については、上記の帰化の条件を一部緩和しています(国籍法第6条から第8条まで)。 ※日常生活に支障のない程度の日本語能力(会話及び読み書き)を有していることが必要です。
帰化許可申請の方法
本人(15歳未満のときは、父母などの法定代理人)が自ら申請先に出向き、書面によって申請することが必要です。 申請先:帰化申請をしようとする者の住所地を管轄する法務局又は地方法務局 帰化に必要な条件を備えていることを証する書類を添付するとともに、帰化が許可された場合には、その方について戸籍を創設することになりますので、申請者の身分関係を証する書類も併せて提出する必要があります。
永住許可申請3つの要件とは
永住許可については,通常の在留資格の変更よりも慎重に審査する必要があることから,一般の在留資格の変更許可手続とは独立した規定が特に設けられています。
①素行が善良であること
法律を遵守し日常生活においても住民として社会的に非難されることのない生活を営んでいること。
②独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること
日常生活において公共の負担にならず、その有する資産又は技能等から見て将来において安定した生活が見込まれること。
※日本人、永住者又は特別永住者の配偶者又は子である場合には、①及び②に適合することを要しない。
※難民の認定を受けている者、補完的保護対象者の認定を受けている者又は第三国定住難民の場合には、②に適合することを要しない。
③その者の永住が日本国の利益に合すると認められること
ア. 原則として引き続き10年以上本邦に在留していること。ただし、この期間のうち、就労資格又は居住資格をもって引き続き5年以上在留していること。
「引き続き10年以上日本に在留していること」の特例
※配偶者が日本人や永住者又は特別永住者の場合:実態を伴った婚姻生活が3年以上継続しており、引き続き1年以上日本に在留していればよい。
※親が日本人や永住者又は特別永住者の場合は:1年以上継続して日本に在留していればよい。
イ. 罰金刑や懲役刑などを受けていないこと。公的義務(納税、公的年金及び公的医療保険の保険料の納付並びに出入国管理及び難民認定法に定める届出等の義務)を適正に履行していること。
※公的義務の履行について、申請時点において納税(納付)済みであったとしても、当初の納税(納付)期間内に履行されていない場合は、原則として消極的に評価されます。
ウ. 現に有している在留資格について、出入国管理及び難民認定法施行規則別表第2に規定されている最長の在留期間をもって在留していること。
エ. 公衆衛生上の観点から有害となるおそれがないこと。