遺産分割協議書とは
遺産分割協議書とは
遺産分割協議書とは、誰がどの財産を相続するか、または誰がどれだけの割合で相続するか話し合い、相続人全員が合意した内容を記載した書類です。
民法第907条
共同相続人は、次条の規定により被相続人が遺言で禁じた場合を除き、いつでも、その協議で、遺産の全部又は一部の分割をすることができる
遺産分割協議
相続人の間で、被相続人(亡くなった方)の財産をどのように分けるかを協議・話し合い(遺産の分割)を行います。
遺産分割協議書の作成
相続人全員による遺産分割の協議が成立した旨を証するため、遺産分割協議書を作成します。
法律上は書面で合意することは要求されていません。しかし、口頭の合意だけでは、後で合意内容について疑義が生じ紛争が蒸し返されたり、不動産の移転登記を行えないなど事実上の不都合が発生します。
遺産分割協議書が必要なケース
・〈遺言書がない〉+〈法定相続割合で分割しない〉場合
・〈遺言書はある〉+〈遺言書の内容に不備がある〉〈遺言書と異なる遺産分割を行う〉場合
遺産分割協議書作成の手続き
遺産分割に関して共同相続人間で合意が成立した場合、各遺産の名義を変更するために諸機関へ提出したり、後の紛争を予防したりするため、協議の内容について遺産分割協議書を作成しておくべきです。
また、せっかく相続人間で話し合って遺産分割協議をしても、口頭で合意しただけでは、後に紛争となった際にもともとの合意内容を証明することが困難となります。
そこで、後の紛争を予防するためにも、誰がどの遺産を取得したのかを明確に記載し書面化した遺産分割協議書を残しておくことが重要です。
遺産分割協議を行う前にはしっかりと相続財産調査を行い、できるだけ漏れが無いように調べておくべきです。しかしどうしても発見できず、後から新たに財産が見つかるケースもあります。
- 亡くなった人(被相続人)の情報 名前、逝去日、最後の住所、本籍地などを記載
- 誰が相続するのかを明確に記載
- 誰がどの遺産を取得したのかを明確に記載
- 新たに遺産が見つかった場合に関する取扱い
遺産分割協議書に決まった様式はありません。パソコンでも手書きでもかまいません。用紙やペンなども自由です。
遺産分割協議書には、作成した日付、相続人全員の署名押印が必要です。
すべての相続人が遺産分割協議の内容に同意していることを証明するため、実印を押印し印鑑証明書を添付します。
遺産分割協議書が役立つ場面
遺産には、不動産や銀行預金などの金融資産が含まれる場合が多くあります。
登記所 (法務局)や銀行等に対し、遺産分割協議の内容(誰がどの遺産を取得することとなったのか)を証明する必要がある場合に活用できます。
遺産分割協議が成立しない場合
遺産の分割について、共同相続人間に協議が調わないとき、または協議をすることができないときは、各共同相続人は、遺産分割調停の申立てを家庭裁判所に請求することができます。
家庭裁判所において遺産分割の調停がまとまらない場合には、遺産分割審判に移行し、家庭裁判所の裁判官による審判がされることになります。
共同相続人間でトラブルが生じたときは、弁護士にご相談されることをおすすめします。